【演劇観てきた感想】第27班『ハヴ・ア・ナイス・ホリデー』

3.5
アイキャッチ画像 演劇

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出典:第27班 https://teamthe27.wixsite.com/official27

おすすめ度:☆☆☆✬★
公演期間:2022/07/07(木)~2022/07/18(月)
劇場:こまばアゴラ劇場
脚本・演出:深谷晃成
出演:鈴木あかり、佐藤新太、箸本のぞみ、大垣友、もりみさき、藤木陽一、成瀬志帆

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あらすじ

飲むと老化が止まる薬、「不老薬」が開発されました。
病気や事故で死ぬことはありますが、老衰する ことはありません。
今の自分をずっと生きることができます。
この国では過疎化した地域に移住する若者のみ、その薬を買う権利が貰えます。
永遠を生きようとする若者たちがとある小さな町に集まってきました。
この時代に生まれたみなさまへ。どうか素敵な休日を。

第27班の完全新作は、命と人生の群像劇

出典:第27班 https://teamthe27.wixsite.com/official27
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆★★

舞台設定

”死ねない”ではなく”老いない”というのが今作の設定のポイントなのかなと感じるのだが、全体的に納得度が低く腹落ちがしないため、感情が入り込んでいかない

不老薬のバックグランドが不明で、遺伝子に働きかけているのに、なぜ飲み薬なのかとかも気になるし、限界集落に住まないと支給されないというロジックも微妙

日本という国がそんなコントロール(不老薬の限定的配給制度)が可能な社会である実感もなく、根本の舞台設定に納得度がないため、そこに展開される物語にも現実感を伴って観ることが出来なかった

3月に観た『下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー』の方が余程ぐちゃぐちゃな設定だったけど納得度は上なのが不思議

受け取ったストーリー

物語は、移住すると不老薬が配給される”みらいの村”へ双葉(成瀬志帆)が、移住するために担当の瀬戸(箸本のぞみ)と手続きをしている場面から始まる

双葉は、村唯一のタクシーを営む土屋(佐藤新太)や村のラジオ局を占拠して勝手に放送をしている玉置(大垣友)らと知り合い徐々に村の生活に馴染んでいくのだが、隣人の小島夫妻とは微妙に距離感がある

小島夫妻は不妊治療を行うために”みらいの村”へ移住しているのだが、夫の屋上(藤木陽一)は、子供を作ることだけに固執する妻の景色(鈴木あかり)との関係性に疲れを感じている

景色は、或る日庭先にアシナガバチの巣と働き蜂(もりみさき)を見つけ…

という感じの流れでそれぞれの関係性を描いていく群像劇

劇中のギター演奏がそのまま音響として利いていて場転がスムーズ、群像劇ならではのブツ切り感がなかったのは好演出に感じたし、セリフのやり取りで笑える部分も多く、場面場面は楽しめた

個人的な違和感

不老であるが故の苦悩みたいなものが描かれるのかと思って観ていたが、どちらかというと不妊の話と命を紡ぐという部分に主軸がある様子

不妊って色々な事情が千差万別に絡み合っていることもあり、生物として”ねばならない”的な切迫感があるであろうことも分かるが、個人的には合わず、舞台設定と相俟って終始違和を感じてしまっていた

俳優:☆☆☆☆★

成瀬志帆

冒頭からかなり振り切った価値観で生きている様が違和感のある舞台設定を飛び越えていて好感

土屋(佐藤新太)を追い込んで泣かせる場面は笑えたし、終盤のダンスがキレてて格好良かった

初見の俳優さんかな?と思ったら、今年観てた、、、全然気づかなかった、、、今作の方が好み

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まとめ

個人的には合わないのだが、場面場面では楽しめる要素が多く、主題の受け取り方も千差万別なので、結構好みに応じて感想が分かれる作品(凄く好き、という人の方が多いかも…

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出典:第27班 https://teamthe27.wixsite.com/official27

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