【演劇観てきた感想】第27班『下品なジョン・ドー 笑顔のベティ・ドー』

4.0
アイキャッチ画像 演劇

フライヤー画像

出典:第27班 公式サイト https://teamthe27.wixsite.com/official27/john-doe-betty-doe

おすすめ度:☆☆☆☆★
劇場:王子小劇場
公演期間:2022/03/24 (木) ~ 2022/03/28 (月)
作・演出:深谷晃成
出演:鈴木あかり、箸本のぞみ、大垣友、もりみさき、深谷晃成、目崎剛、やじりまおん、函波窓、大賀美佑治、服部美香

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あらすじ

「Hey! Jap! どうして君は泣いているんだい?」

東京の、とあるダイニングバーに日々集まる若者たち。
彼らは1杯の酒で4時間以上粘るので店から嫌われていた。
売れない俳優、浮気性のクリスチャン、男に潔癖のある女、異邦人に恋をした男。

年金問題、少子高齢化問題、ウクライナ情勢。
暗いニュースが毎日届く。

味方のいない毎日で、悩みの尽きない東京だけど、
彼らは今夜も店に集まる。

ジョン・ドー ベティ・ドー
身元不明人に付けられる仮の名前。
名無しの権兵衛。

彼らにはそれぞれの「タイトル」がありそれこそが「名前」そのものなのだ。

2020年の元日に初演が上演され、2021年度、第27回劇作家協会主催新人戯曲賞最終選考6作品にノミネートされた本作。

年度末に。新生活の始まりに。
第27班がお送りする至極のアメリカンシットコム群像劇。

出典:第27班 公式サイト https://teamthe27.wixsite.com/official27/john-doe-betty-doe
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想。ネタバレありのため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

下衆い奴らの群像劇コメディ。登場人物の設定と世界観が独特。当パンの配役表が全部タイトルで語られているのだが、無理筋な設定が盛りだくさん。イルカは出てくるし(これが衝撃)、怪しげなハリーゲームで全部白黒つけちゃうカップルはいるし、貞操の危機を迎えるとタイムリープしちゃう子はいるし、コンビニで働いている外国人留学生がほとんど日本語しゃべれないし、高次脳機能障害の外国人が住み込みで働いているダイニングバーが舞台だし、全然筋に絡んでこない歌って踊っているだけの人はいるし。。。かなりグチャグチャなのだが、不思議と展開はまとまっている。何故か分からないが、納得して受け入れて観守ってしまっていた。構成力、、、かな?120分オーバーだけどストレスなくテンポよく笑いながら観ていられた。再演するだけある。

俳優:☆☆☆☆★

今作は、客演陣がポイントをガッチリ押さえて大活躍だった。

目崎剛

衝撃のイルカさん。圧倒的飛び道具。最初のお母さんに電話しているところで爆笑してしまった。個人的には今作のMVP。ラストの歌のところまでイルカだった。実はセリフについては結構繊細な価値観が組み込まれていて、終盤に向かっていく中で効いてくるのも良かった。

函波窓

影のMVP。ハリーゲームがあまりにもくだらな過ぎて笑った。無茶苦茶なことをやっているが、実は言っていること自体は相当まともでギャップが凄い。ダイニングバー「グッドイブニング」の面々の方が遥かにぶっ飛んでいるのだが、それを感じさせない演出をしっかり表現していた。

やじりまおん

登場時から後半にかけてガラッと人格が変わったように変化していく様子が上手かった。出てきたときは、この作品はどんだけヤバい奴が出てくるんだろうか?と不安になるほどだったが、そこから真逆の振り幅で結局ヤバい奴になるのが秀逸。

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まとめ

めちゃくちゃな設定がベースなのに何故か受け入れさせてしまう構成の上手さを味わいながら、がっつり笑えるコメディの秀作。結構空席出てたのは勿体ない。

フライヤー画像_裏

出典:第27班 公式サイト https://teamthe27.wixsite.com/official27/john-doe-betty-doe

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