【演劇観てきた感想】#Q『紫にリボン結び』

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出典:♯Q 公式X https://twitter.com/sharp_q_mm

おすすめ度:☆☆☆☆☆
公演期間:2023年12月22日(金)〜12月25日(月)
劇場:スタジオ空洞
脚本・演出:久保磨介
出演:井本みくに、沈ゆうこ、中三川雄介、日野あかり、ふなきみか、山下雷舞、依乃王里

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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆☆

クリスマスで、アダムスファミリーで、ティムバートンで、ダークラブロマンスで、ミステリーで、ホラーコメディなのにカワイイっていう、どうすればこんだけの多要素を綺麗に織り込めるんだという完成度の高いテキスト。その上、照明も大して吊れないし、客席の傾斜も取れない制限の多いスタジオ空洞だからか、キャラ造形と会話の進行だけでアレだけ面白いものが出来るとは。しかも、その”巧さ”が自己主張してこない。フワッといつの間にかその世界観を受け入れて、ストーリーを楽しんでしまう。鋭さが全然なく刺さるというよりじわっと沁みてくる演出が良かった。

俳優:☆☆☆☆☆

多層的な作品に俳優がぴったりと嵌まり込んでいて、誰が欠けても成立しないし、これ以上人が出ていてもダメだったのではないかと思わせる素晴らしい座組だった。

井本みくに

終始姿勢が良く凛とした感じで拗れている紫を好演されていたが、終演後のあいさつで言い間違えをしてオロオロしている素とのギャップが更に良かった。

中三川雄介

レティクル東京座以来なので5、6年ぶりに拝見した。ホラー調のメイクすると一気に”それっぽく”観えるのが流石。気弱でおどおど喋る千草がハマっていた。

日野あかり

まさかの”お父さん”だった。もうそれだけで十分に凄い。完全にモーティシアのポジションだと思ってた。今作一番の衝撃と笑いだった。

依乃王里

あれだけイケオジのポジションなのに、本命には行けないというギャップが更なる格好良さを引き出していた。

山下雷舞

日野あかりとのコンビで今作の世界観を体現する執事蝦蔓だった。紫への優しさと櫻への絶対的忠誠がミステリのカギになっていたのも良かった。

沈ゆうこ

ストーリー上は唯一の他人なのだが、ポジションを確り押さえている。出だしのルール不明のチェスっぽいやり取りのくだりから、ちょいちょい挟み込んでくる一言が絶妙過ぎて、一気に世界観を肯定的に受け入れる流れが出来ていっていた。

ふなきみか

依乃王里とのやり取りでの距離感が良かった。菫子は、周囲のキャラが濃すぎて一番普通そうに感じるが、どう考えてもヤバい人だったという気がする。

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まとめ

予想通り読後感が非常に軽やかで劇場を出て町のクリスマスの雰囲気で頬が緩む感じの作品。今年は久保磨介作品にだいぶやられた気がする。

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