【演劇観てきた感想】劇団人間嫌い『ネオンの薬は喋らない』

3.5
アイキャッチ画像 演劇

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出典:劇団人間嫌い https://ningengirai181.wordpress.com/

おすすめ度:☆☆☆✬★
劇場:新宿シアター・ミラクル
公演期間:2022/06/03(金)~2022/06/07(火)
脚本・演出:岩井美菜子
出演:樋口双葉、高坂美羽、川勾みち、藤崎朱香、青山美穂、芦田千織、飯野くちばし、岩井美菜子、河村慎也

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あらすじ

深夜26時、360°ネオンがチラつくこの街で
“おんなのこ”を、煮詰めて煮詰まって、ぐちゃぐちゃにして。
くだらない悩み。くだらなくナイといけない悩み、っていうか、このモヤモヤ?チクチク?
うぅーん、ぴえん🥺って話を、だから誰か聞いてってば!

とある歓楽街の深夜薬局を舞台に巻き起こる、愛おしくても実のないお喋りとイタミの話

出典:劇団人間嫌い https://ningengirai181.wordpress.com/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆★★

劇中の”LUNA薬局”は、おそらく書籍やテレビでも話題になっていた歌舞伎町の”ニュクス薬局”のオマージュと思われる(ちなみに”ニュクス”は、ギリシャ神話における夜の女神)

”ニュクス薬局”は、上演している新宿シアター・ミラクルから徒歩数分にあるというのも一つの演出効果と感じ取ってしまう

物語は、夜の街の”おんなのこ”達のそれぞれを描く群像劇として、LUNA薬局の店主水瀬(芦田千織)の交通事故による入院で突然店を任された前澤(河村慎也)と事務のなるみ(高坂美羽)を中心に、薬局を訪れるラウンジ嬢のかれん(藤崎朱香)、その妹モカ(樋口双葉)、かれんの元同僚でキャバ嬢のトモ(岩井美菜子)、保育士の平石(青山美穂)、ご近所の花屋さんの柳(川勾みち)、NPO法人で夜回りをしている下園(飯野くちばし)との出来事をちょっとずつ絡めながら展開していく

それぞれの”痛み”は、彼女たち固有のもので決して共感が出来るものではないのであるが、主人公である前澤の存在が媒介となって観客にも伝わってくる

この前澤の配置がこの作品の妙で、もともと”おんなのこ”を扱っている劇団人間嫌いは異性には分かりずらいものだったのだが、今作は前澤を媒介にすることで観えてくる世界が広がった感じがする

人の”痛み”は分からないけど、それに寄り添ったり、和らげてあげたいという思いが伝わり好感

個人的にはエピソード間のつながりがやや弱く断片の集まりといった印象で物語全体での”うねり”があった方がより心を動かされるのではないかなと

作者の溢れる思いを感じるが、もう少し削って芯になるストーリーを中心にシャープにした方がより刺さるのかも知れない

俳優:☆☆☆☆★

河村慎也

今作で最も重要な役割を担っている

”分からない”のだが、それに寄り添いたいという思いが伝わってくる

とても良いキャスティングに感じた

藤崎朱香

初見の俳優さんなのだが役に良くハマっていた

小劇場であまり見掛けないタイプと個人的には感じたので新鮮

樋口双葉

年齢不詳感、ヤバい感じがよい、アクト全体が虚構と現実の間のギリギリの線でいっていて演出が非常に浸透している感じで巧さを感じる

川勾みち 飯野くちばし

何度もお観掛けしているこのお二人については、もっと使いどころがあったのではないかと思ってしまうほどの贅沢な使い方

巧さを知っているのでもっと観たいと思ってしまう

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まとめ

共感が出来ないという共感とそれでもそこにある”想い”を味わえるドキュメントのようなフィクション

万人受けしない題材を扱っているからこそ、こういう作品は自分から観に行かないと

劇団人間嫌い『ネオンの薬は喋らない』チケット予約ページ

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出典:劇団人間嫌い https://ningengirai181.wordpress.com/

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