【演劇観てきた感想】動物自殺倶楽部『凪の果て』

4.0
アイキャッチ画像 演劇

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出典:動物自殺倶楽部 https://note.com/dobutsu_jisatsu

おすすめ度:☆☆☆☆★
公演期間:2022/12/14(水)~2022/12/18(日)
劇場:雑遊
脚本:高木登
演出:小崎愛美理
出演:赤猫座ちこ、函波窓、橋本恵一郞、ハマカワフミエ、三浦葵

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あらすじ

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

二人の弁護士と、ひと組の夫婦と夫の愛人女性の物語です。

出典:動物自殺倶楽部 https://note.com/dobutsu_jisatsu

舞台は、或る弁護士事務所の応接室。物語は、市原丈留(橋本恵一郎)と愛人野木陽加里(ハマカワフミエ)の不倫に端を発した、妻茜(三浦葵)との協議離婚を巡る打ち合わせ。

一刻も早く離婚と陽加里との再婚を望む丈留には弁護士の稗田晶子(赤猫座ちこ)が、対して、絶対に離婚をしないと主張する茜には稗田の前の事務所の先輩弁護士である笹井健二(函波窓)が代理人に立っている。

両者の主張はすれ違いのまま、2人の弁護士の間の浅からぬ因縁も絡んで混沌とした状況に。そんな中、稗田には事態を打開するためのある秘策があり…

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作品の感想

演出・脚本:☆☆☆★★

倒叙ミステリーの様な会話劇。後半の謎解きパートに相当する場面に向かって、どんどん話が重くなっていくのが観ていて結構ツラい。出てくる人間が概ねダメな人達で後半の救いのなさが際立つのだが、ラストの終わり方までモヤっとさせてくるのが巧い。

本来テーブルを挟んでの会話を、両者客席を向いて演技をする演出になっており、微妙に違和感があるが、正にすれ違っている感じにつながっていて面白かった。

音響で色々な表現を重ねているのだが、個人的には音響はもうちょっと控えめで俳優の演技を楽しみたかったと感じてしまうほど俳優陣が良かった。

俳優:☆☆☆☆☆

赤猫座ちこ

唯一まともそうに見える弁護士の稗田だったが、中絶した過去など影も表現されていたり、思わず野木に同情してしまったり、と、複雑な表情を作るのが上手かった。

三浦葵

オープニングから無茶苦茶怖い。一番ヤバい人物かと思ったが、実は旦那の方が数段ヤバいというギャップを作る物語の土台になっているのが良かった。

橋本恵一郎

出てくる人物の中では一番ヤバい人物であることが、一つ一つのやり取りを通して徐々に分かってくるのだが、本当に闇が深くて気持ち悪い。ギリギリの実存感が凄い。

ハマカワフミエ

ここまで薄幸感がある役が似合うとは思わなかった。纏っている雰囲気から薄くて、最初本当に彼女かと目を疑うほどだった。

函波窓

初めて普通(ではないが、比較して)な人物を演じているのを観た。人物像に納得感があり、嫌味な感じとか、ちょっと危ない感じが良く出ていて良かった。これからも色々な作品でお目にかかれそうな存在感だった。

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まとめ

救いのない展開と終わり方なのに俳優陣がよいので楽しめる不思議な作品

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