出典:feblabo 公式サイト http://feblabo.net/index.html
おすすめ度:☆☆☆☆★
劇場:シアターミラクル
公演期間:2021/12/15(水)~2021/12/22(水)
演出:池田智哉(24/7lavo/feblabo)
脚本:ブラジリィー・アン・山田(ブラジル)
出演:
◆Team”Q”◆ 河村慎也(南京豆NAMENAME)環幸乃 寺園七海(24/7lavo)
◆Team”K”◆浅見臣樹((劇)ヤリナゲ)、小野里茉莉、星澤美緒(たすいち)
イントロダクション
新婚の綾乃は、高校の演劇部の先輩である陽子に、生命保険の営業マン・中西を紹介される。 万が一の時のためにお金は必要だと綾乃の夫の保険の加入を勧めると、綾乃は高額な保険の加入を快く承諾する。 契約を取り付けた二人は帰り際、綾乃から「ある提案」を持ちかけられる…
出典:feblabo 公式サイト http://feblabo.net/index.html
逃げ場のない密室で繰り広げられる心理戦。
騙すものと騙されるもの、どちらが悪いのか――
どこまでもスリリングな会話劇50分1本勝負。
今回はTeam”K”を観てきました
作品の感想
あくまでも個人の感想。以下ネタバレ全開のため閲覧注意
脚本:☆☆☆☆★
大まかな流れ(完全ネタバレ)
流石に何度も再演されるテキスト。ラストのどんでん返しが2回というのがポイントだが、そこまで淀みなくストーリを運んでいくのが上手い。どんでん返しとしての構成はザックリ以下
- イントロダクション
- 綾乃は浮気旦那を殺してほしいと陽子と中西に持ち掛ける=「ある提案」
- 綾乃は陽子と中西が不倫の末、陽子の旦那を保険金殺人していると暴露
- 中西は不倫の証拠写真をビリビリに破くことで事実と肯定
- 陽子が保険金を山分けしてくれるなら、と前向きになったところで中西がドン引きして離脱
- 実は殺人依頼は陽子と綾乃の狂言に付き合っていたと暴露される(どんでん返し1)
- 綾乃は本当に旦那を殺してほしいと暗示(どんでん返し2)したところで暗転して幕
引っかかっちゃう疑問
疑問1:陽子の目的は?
どんでん返し1での陽子の目的は中西と別れたい?なのかな?
ならば、イントロで陽子と中西が綾乃がお茶を入れている間にキスしようとした件(くだり)は何なのか? あれも陽子の演技で、綾乃が食器の音を立てながら戻ってくることで意図的に阻止した、だとしたら無理があり過ぎ。
疑問2:結局陽子は…
結局陽子は旦那を殺しているのか?が、わからないままでモヤっとする。中西が肯定したのは不倫であり、陽子が殺したと疑っているものの本当の部分は描かれていない。これは余韻として楽しめる謎なのでよいかな、と思いつつ、保険金殺人を隠すために狂言自殺の際に傷が深すぎて指が不自由というのとセットなのが気になる。殺している感を出すためなのだろうが、どう考えても不倫相手の手が不自由だったら気づく筈で、指の件が嘘だということなのなら、旦那も殺していないのかな、となって、観ている側の感情の整合性が取れない。
演出:☆☆☆★★
密室3人の会話劇なので、演出の大部分が俳優の演技についているので俳優の項目で。舞台美術で気になったのは、壁が赤い糸で表現されているところ。塩田千春のオマージュ?
俳優:☆☆☆☆★
小野里茉莉
どんだけキャラ作るとあの演技になるのかっていう感じの好演。中盤の強弱のメリハリがよくて観てて怖くなってくる。こんな人間いないだろう、と、こういう奴いるよな、、の狭間でとても良かった。
星澤美緒
メイクと演技のせいなのか物凄くおばさんに見える(褒めてます
大人になっても高校時代の先輩後輩関係引きずっている感じがちょうどよく作品にフィットしてた。
浅見臣樹
飄々とした雰囲気をベースに器用にいろんな役をこなす。今作もイメージ通りの活躍。冒頭のカードマジック、結構上手くセカンドディールしていたように見えた(客席からは
まとめ
50分で大どんでん返しのラストが楽しめる良作。会話劇がお好きな方にはおススメ。初めての小劇場観劇でも楽しめる。結構席が空いているみたいで勿体ない
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