【演劇観てきた感想】ロロ『ロマンティックコメディ』

3.0
アイキャッチ画像 演劇

フライヤー画像

出典:ロロ http://loloweb.jp/Romantic/

おすすめ度:☆☆☆★★
劇場:東京芸術劇場シアターイースト
公演期間:2022/04/15 (金) ~ 2022/04/24 (日)
脚本・演出:三浦直之
出演:亀島一徳、篠崎大悟、望月綾乃、森本華、大石将弘、大場みなみ、新名基浩、堀春菜

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あらすじ

ある町の丘の上にある本屋「ブレックファストブッククラブ」では時折、すこし変わった読書会が開かれている。課題図書はいつも同じ、自費出版のある小説。その本を繰り返し読み、語り合うのだ。

「ブレックファストブッククラブ」の店主のヒカリは友人のとなりとあさってとともに、何度目かの読書会の準備をしている。お菓子を用意して、お茶を淹れ、入れ替わり立ち替わり現れる参加者達を迎え入れる。

小説のテキストは各々の記憶を呼び起こし、思い出話は関係のなかった人を巻き込みながら思わぬ方向へ。本筋もないまま脱線を繰り返し、雑談に雑談を重ねながら、一冊の本を中心として長い長いお喋りは賑やかに続くーー。

出典:ロロ http://loloweb.jp/Romantic/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想。ネタバレありのため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆★★

物語の中心は一冊の自費出版された本を通じて織り成される。筆者は詩歌(しいか?しか?台詞にしか出てこないので正式な表記不明)。「ブレックファストブッククラブ」の店主ヒカリ(森本華)のビジネスパートナーで、あさって(望月綾乃)の姉で、となり(大場みなみ)の友人…であったが今はもう亡くなっている。

3人は、詩歌の遺した唯一の題名すら分からない小説の読書会を通じて詩歌を偲ぶのだが、そこに偶然知り合った麦之介(亀島一徳)、寧(大石将弘)や「ブレックファストブッククラブ」の常連である瞼(新名基浩)や遠足(篠崎大悟)が加わって、少しづつ時が流れ物語が展開される。

そんなある日、勘違いで「ブレックファストブッククラブ」を訪れた白色(堀春菜)が、中学時代にはまっていた小説がネットの小説投稿サイトに投稿されていた詩歌の小説だと分かり…

薄れていく記憶と本当の過去との間違い探しを詩的な演出とちょっとした笑いを入れながら淡々と綴っていく展開。

個人的には、ちょっと淡泊で平坦なところがありちょっと物足りない。10年前に観たロロは、この異様に平坦なところから強烈なカタルシスをもたらしてくれたのだが、今作はそれを感じなかった。そのカタルシスを期待していた部分がありすぎたかも。台詞には鋭いものも所々にありよかった。

俳優:☆☆☆★★

森本華

ヒカリがあまり語りたがっていなかった詩歌との出会いをあさってに対して何の脈略もなく携帯で語り始めるシーンがよかった。観客に背中を向けての演技だったが、その後ろ姿でもどんな顔をしているのか想像出来る。客席最後列まで透る発声だったら更に良かった。後ろの方だったのでやや聞きづらい。

望月綾乃

10年前に初めて観た時の印象からほとんど変わっていないのが凄い。上手くコメディな部分を回す立ち位置と姉との微妙な関係の妹の両面が確り出ていて上手さを感じた。

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まとめ

詩的な演出とフワッとしたコメディでほんわかとしながら、随所にちりばめられている鋭いセリフを楽しむ作品。強い刺激とか価値観ひっくり返されるような感じではないけど沁みる。

コメント

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