【演劇観てきた感想】鵺的『デラシネ』

4.0
アイキャッチ画像 演劇

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出典:鵺的 http://nueteki.org/

おすすめ度:☆☆☆☆★
公演期間:2023/03/06(月)~2023/03/12(日)
劇場:新宿シアタートップス
脚本:高木登
演出:寺十吾
出演:小崎愛美理、堤千穂、とみやまあゆみ、高橋恭子、田中千佳子、中村貴子、米内山陽子、川田希、木下愛華、未浜杏梨、佐瀬弘幸

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あらすじ

黒いようで白く
白いようで色がなく
濃いようで淡い
どこにでもあるようで
ないような色の
十人の女たち
これはひとりの男性脚本家をめぐる十人の女性たちの物語

出典:鵺的 http://nueteki.org/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

鵺的らしいダークな雰囲気が全体を支配しているなかで、脚本家高木登の脚本家としての実体験が色濃く反映されている。自身が成功している脚本家(と少なくとも、こちらはそう感じている。超有名アニメのシリーズ構成担当として『黒子のバスケ』、『銀河英雄伝説』、『ゴールデンカムイ』、『キングダム』など、名前をお見かけないクールがない程)であるため、半端ないリアルがそこにあった。

脚本家は各種調整の中でのリライトという妥協を強いられる現実、書きたいものを書きたければ劇団でも作ってやればいいという自虐、シリーズ構成というバランサーを担っているため、書き直しも嫌いじゃないと言わせてみたり、脚本家の成功は”運”でしかないと言い切ってみたり、と色々な想いを感じられて心が動かされた。

ただ、終盤に向かってあまりにも個々の登場人物の偏りが強すぎて徐々に舞台上の情景から自分自身の感情が置いておかれてしまったような感覚になる。そもそも共感はあまりできないところに、それぞれの登場人物の心情に理解できない部分がどんどん増えてきて、ちょっと引いてしまった。

これは、座席がかなり後方(ほぼ最後列)であったことも原因かもしれない。初めてシアタートップスで入口よりも後ろの座席に座ったが、俳優の細かい表情や所作がとらえ切れない。小劇場の良さは、舞台との距離感にあるので、やはり10列を超えると厳しいと実感。観劇を決めたタイミングが遅かったのが原因なので、シアタートップス(とか、スズナリや赤坂REDなどのやや大きめの小劇場)ではやっぱり注意が必要と反省。

俳優:☆☆☆☆★

とみやまあゆみ

鵺的はもちろんだが、最近では青年団リンクやしゃご、古くは田上パルやMUでも拝見しているのだが、今作ほど鮮烈なイメージがなかった。酒匂早苗にガッチリとハマっていてとても良かった。

堤千穂

飛び道具感が凄かった。ひとつだけの見せ場だったが、完全に場を支配している感じがあって圧倒された。あのシーンは、席が前の方だったら更に楽しめたと思う。

小崎愛美理

後方列からでもパッと分かるほどに端整な顔立ち(単に個人的な好みである)で、観ているだけでちょっと幸せになる。スカジャンに紫メッシュでもダサく映らないのは凄い。ラストの退場シーンが格好良すぎた。

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まとめ

良い作品は10列以内で観るように早めの予約が必須。小劇場の醍醐味は、俳優の細かい表情や呼吸音まで感じられるほどの距離感なのだから。

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