【演劇観てきた感想】オフィスコットーネ『磁界』

4.0
アイキャッチ画像 演劇

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出典:オフィスコットーネ http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/

おすすめ度:☆☆☆☆★
公演期間:2023/02/09(木)~2023/02/19(日)
劇場:小劇場B1
脚本・演出:中村ノブアキ
出演:西尾友樹、井上拓哉、異儀田夏葉、狩野和馬、柿丸美智恵、谷仲恵補、青山勝、大滝寛

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あらすじ

今回、プロデュース公演ならではの、スタッフ、キャストとのセッションがどんな化学反応を起こすのか、新しい実験に臨む科学者のように心からワクワクしている。

さてオファーされるにあたって「警察組織内部を描いた芝居にしたい」と言われた。テレビで偶然、あるドキュメンタリーを見たことがきっかけという。ビジネスドラマを得意とする私なら、リアリティある組織の事情を描けるんではないかという目算らしい。もちろん大変光栄ではあるが、でも「会社と警察、全然違うだろ」と心の中では思っていた。それでも知らない世界への好奇心からオファーを受諾、私なりに警察とは何かを考え続ける日々だ。ぜひその答えを目撃しに来ていただきたい。

作・演出:中村ノブアキ

出典:オフィスコットーネ http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

ほぼJACROWだった。が、それは当たり前の話。俳優陣のレベルが高く予想通りの仕上がりで満足できる。臨場感抜群で観ていてヒリヒリするあの感覚が楽しめた。

当パンやWebサイトなどで、

閉鎖的な環境において人間は社会性が失われ、モラルが欠如し隠蔽さえも正当化されていく世界

出典:オフィスコットーネ http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/

警察組織の人間関係、体質に絡めとられていく思考、隠蔽さえも正当化されてゆく世界。モラルとは、正義とはなんだ。

出典:『磁界』当日パンフレットより抜粋

といった表現があるのだが、個人的な感覚としては、劇中の警察組織のロジックは至極真っ当であり、首藤(西尾友樹)と坊田(狩野和馬)との終盤のやり取りにおける坊田の主張であったり、序盤から展開される向坂(柿丸美智恵)や塩崎(異儀田夏菜)の言い分の方に違和感を感じてしまう。

明らかに警察に頼る以前に自身を省みた方が良いと思ってしまうところが、自分のズレでありおかしさのような気もする。作中の薄給、且つ、厳しい階級社会で生きている”24時間365日正義感だけで働いている警察官”という表現は好きだった。こういう社畜な受け取り方をしてしまうのも、上手く中村脚本に誘導されているかも、と思って楽しめてしまう。

俳優:☆☆☆☆★

西尾友樹

正義感が強く自ら望んで激務の生活安全課の配属を希望し、理想と現実の中で変化していく首藤を好演。やっぱり巧い俳優さん。熱量が凄さ変化していく”正義”の定義が良く伝わってきた。

狩野和馬

珍しく毒がないというか鋭さがない役柄を演じている印象。あの出入口で躓くシーンの意味を自分で説明するシーンは微妙だったが、終盤の西尾友樹とのやり取りは流石だった。

柿丸美智恵

個人的には終始違和感のある主張を繰り返すハードクレーマーな印象。この観ている側にマイナスの感情を引き起こす演技も俳優の”巧さ”だと思う。

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まとめ

ほぼJACROWだが、JACROW単独では警察組織を描くことはなかっただろうし、流石にこの俳優陣を集めきれないだろう。そこがオフィスコットーネ綿貫凛の凄さ。

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出典:オフィスコットーネ http://www5d.biglobe.ne.jp/~cottone/

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