出典:guizillen http://guizillen.under.jp/index.html
おすすめ度:☆☆☆✬★
公演期間:2024/02/21(水)~2024/02/26(月)
劇場:王子小劇場
脚本・演出:佐藤辰海
出演:片腹年彦、門田友希、笹井雄吾、末安陸、安東信助、遠さなえ、我修院達子、亀井陵市、久間健裕、小嶋直子、佐々木タケシ、三本木大輔、篠原正明、シミズアスナ、平川千晶、米田ひかり
あらすじ
なんかもうひどいよね最近。
物価高騰とか戦争とか環境問題とかパパ活とか。熊も増えてるし。
感染症の頃の方がマシだったんじゃない? なんて錯覚しちゃうくらい。
宇宙人が攻めてきてもたぶん人類は団結できないんだろうな。
宇宙人にやられる数より自分たちで殺し合う数の方が多いんじゃないかな。
そんな風に思っちゃうよね。未来に希望とか持てないじゃん。
子どもも生まれて来ないし、地球環境が来年はもっとマシになってるとも思えないし、
世間は嘘つきばっかだし、夢はないけど金は欲しいよね。
俺たち人生の落伍者かもしれないけど、俺たちにしか語れないことってあったと思うの。
成功者の名言切り抜きみたいなショート動画よりずっと君のそばにいてあげられる、
そういうなんか、体温のある言葉。速く走る秘訣なんかいらないんだ。
ただ「一緒に歩こうぜ」ってマラソン大会のドンケツで言ってほしかったの。
惨めさや恥ずかしさや虚しさややるせなさの隣にいてほしかったの。
そうだろ?これはそんなバカで弱っちい俺たちがお送りする、絶望の時代を生き抜くバイブル!
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(令和最新版)
作品の感想
あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意
演出・脚本:☆☆☆★★
正直なところguizillenの作劇は、ツクリとしては好みの部類ではない。色々なストーリー入り乱れて取り留めもなくごちゃついていて、綺麗にオチがついている訳でもなく、伏線らしい伏線もない。寧ろ”合わない”と言ってよいのだが、ただ今作は熱量が尋常ではない。ほぼ熱量だけで観客を押し切ってくる。そして最後には押し切られた感がある。
場面転換の納得度などなく、ワンシーン毎の強さとセリフのキレだけでゴリ押し展開してくるのだが、気づけば、それだけで150分経過しているというのは圧巻だった。特に、終盤の安東信助演じるミヤタの息子を連れてあてどなく自転車を走らせるシーンが素晴らしく、泣くかと思った。これがguizillenならではの”味”なのだろう。
俳優:☆☆☆☆★
篠原正明
久々に拝見したのだが、相変わらずの凄い存在感である。彼を観るたびにボート部出身の知り合いを思い出す。特に首回り。
安東信助
自転車のシーンは本当に良かった。いつか息子とBianchiのチェレステブルー2台でツーリングに行って欲しいと願ってしまった。
米田ひかり
女性陣の中では一番印象に残っている。ヒロの姉は、親ガチャ負けで、他の女性キャラと違って自分ではどうにもならない不幸であり、その闇の深さが良く出ていて痛々しかった。
まとめ
熱量って色んなものを超えて伝わってくる。劇場に行かないと分からない凄さ。
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