出典:日本のラジオ https://razio.jp/free/garounite
おすすめ度:☆☆☆✬★
公演期間:2023/05/31(水)~2023/06/04(日)
劇場:こまばアゴラ劇場
脚本・演出:屋代秀樹
出演:川上献心、宝保里実、沈ゆうこ、田久保柚香
あらすじ
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「あなたとはじめてお会いした夜も、
あなたはすごくわたしのことを心配してましたわ」
「そうだったでしょうか」
「わたし、夜道を独りで歩いていて、あなたにお会いしたんです。
わたしになんて声をかけたか覚えていますか?」
「さて」
「『見ましたか?』って。
わたし答えたんです、
『目が悪いので、こんな闇夜ではなにも見えないんです』って」###
男は、親から継いだ古書店を営んでいた。
男は、目の悪い妻をとてもたいせつにしていた。
男は、心の中に悪夢の城を持っていた。
詩と夢と愛の終わりについてのみじかいお話。###
出典:日本のラジオ https://razio.jp/free/garounite
作品の感想
あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意
演出・脚本:☆☆☆★★
拝見したのは鶏組の方。両方観てないので何とも言えない部分もあるが、ちょっと詩的というか、行間が広すぎて受け取り方が難しい印象を受けてしまった。なんとなくだが、この作品はダブルキャストを両方観る前提というか、二度観ないと全体像が分からない作品なのかもしれない、と感じた。
自身の読解力のなさが故なのかもしれないので申し訳ないのだが、オチのところから全部振り返って「あぁ、、」となるような構成だということは分かった。(ベーコンのくだりとか、夫婦の初めての出会いとか、そもそも妹とか)
そうだと分かって観ていれば、記憶に残るように構えて観ることもできたのだが、川上献心と宝保里実の絶妙な幸福感がなんとなく詩的でふんわりした感じを醸成して物語が流れていったので、漫然と受け止めてしまった。見巧者を選ぶ感じだった気がする。
俳優:☆☆☆☆★
川上献心
いい人キャラを演じることが多く先入観を持って観てしまうため、終盤”夫”の本質的な闇が終盤際立ってきて惨劇具合が凄かった。途中、発声を伴わないタイトルコールとも独白ともとれるシーンが怖すぎる。
宝保里実
前回拝見したのが同じく日本のラジオの「カケコミウッタエ」(2019年)というのは、縁があるのかないのか。。。川上献心との夫婦が似合い過ぎて本当にいい夫婦に観えた。彼女が劇中幸せそう過ぎて色々と観逃してしまった気がする。
沈ゆうこ
序盤、出力弱めの発声をされていて、全く印象が違うキャラクターが浮かび上がってくる。客演では強めのツッコミのイメージが強いが、所属団体では気弱で控えめな不思議ちゃんキャラも多いとは知っていたが、今作は際立って可愛げが満載だった。
田久保柚香
実は実存しない”妹”を好演。今作の構成をはじめから知っていれば、もっともっと注視していたはずで、更に凄みが分かったはずなのに、という後悔を生んでくれました。
まとめ
ダブルキャスト嫌いが災いして作品の”オイシイ”部分を受け取れなかった気もする。が、個人的にダブルキャストはやっぱり合わないんです。
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