出典:みさくぼ 公式Twitter https://twitter.com/misap_info
おすすめ度:☆☆☆★★
公演期間:2022/10/15(土)~2022/10/24(月)
劇場:王子小劇場
脚本・演出:大石晟雄
出演:安藤安按、小川哲也、築、柴崎史也、高見駿、つかてつお、長井健一、森谷菜緒子、利佳
あらすじ
想像力のあるほうがむしろ損をするんじゃなかろうか。
もう無理です。と思っても、そうじゃない気持ちを持たないことには、というか、それでも進み続けているし現状。でももう無理です。どうなんだろう、思った時に、望ましい存在だと思われるような。その望ましい存在だと思われるような振る舞いを求められている、求められていると感じてしまっているような。自分がそうなりたくなっていっているような。
夜を歩く話です。
出典:みさくぼ 公式Twitter https://twitter.com/misap_info
劇場を円形に使って、歩き続けている人々。複数のマイクで、その空間を重ねてみます。カラオケの扉を開けてナンパする人も、本当に無理な夜を過ごす人も、珍しい蝉を追う人も、あなたと、あなたの対岸にいる人も同時に存在する道を、お話だけでなく空間を、そして、私たちが漠然と抱えている全ての不安をまとめて解き明かすみたいな夜を作りたいと思っています。
作品の感想
あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意
演出・脚本:☆☆★★★
王子小劇場の構造を利用して楽屋からロビーを一体的に使って反時計回りに移動することで、俳優が常に上手から出てきて下手にはけるようにして夜の道を歩いているように見せる演出
なのだが、4つのグループのストーリーが全然絡んでいない状態で同時並行する構成が良く分からない
自殺しようとしているサークルの先輩の谷井(小川哲也)とそれを止めたい後輩の桜田(森谷菜緒子)のストーリーをメインに、子供が欲しい夫誠(つかてつお)と欲しくない妻光(築)、嫁と子供に逃げられた吉野(長井健一)と友達の居ない江古田(高見駿)、売れないYouTuber夫婦の広光(柴崎史也)と凛(安藤安按)に偶然出逢って絡む酔っ払いの夕(利佳)、の話は、一度も交差することなく進み、一部はオチもついていない
そして、一度場転で体感数分ほど役者が出てこない無人状態をつくったり、セリフにかぶせて他のつぶやきが流れる演出、、、
実験的な取り組みとしてを取り入れているのか、いつもこのようにされているのかは分からないのだが、個人的な好みに全く合わない
俳優:☆☆☆☆★
森谷菜緒子
自身も突然に親が自殺した過去を背負いながら、ブラック企業で削られて自分をネット上で隠れて中傷してくるまでに壊れてしまっているサークルの先輩である谷井(小川哲也)の自殺を止めようとする桜田を好演
軽妙な語り口でありながら、重たい過去との葛藤やそれでも救いたいと願う優しさなどが伝わってくる、しかも、その容姿と役柄が相俟ってとても魅力的な人物造形になっている
初日であの出来映えであれば千穐楽ではどうなっているのだろうと思わせるほどの良さ
まとめ
結構実験的な演出が多く観ている側が感情を入れていきづらいところがあるが
今作の森谷菜緒子を観るだけでも一見の価値あり
出典:みさくぼ 公式Twitter https://twitter.com/misap_info
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