【演劇観てきた感想】青春事情『NO GOAL -HOMELESS WORLDCUP-』

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出典:青春事情 https://www.jijou.jp/

おすすめ度:☆☆☆✬★
公演期間:2022/09/30(金)~2022/10/04(火)
劇場:駅前劇場
脚本・演出:大野ユウジ
出演:加賀美秀明、大塚幸太、おがわじゅんや、中村貴子、内海詩野、伊藤圭太、渡邊晴樹、熊谷嶺、團悠哉、大山麗希

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あらすじ

青春事情が描くもう一つのサッカーW杯。8年ぶりに下北沢で開幕!

ホームレス状態の人が人生で一度だけ参加できるストリートサッカーの世界大会「ホームレスワールドカップ」。
半年後にメキシコで開催されるこの大会に向けて、新人監督の下、「さすらいジャパン」の戦いはスタートを切った。
いくら練習を重ねても一向にチームとしてのまとまりを見せない選手達。監督やスタッフは焦り、苦悩する。そこへ来てパスポートの取得や資金繰りの問題も明らかになり…。
数々の困難の末に、彼らは見事勝利を掴むことは出来るのか!?いや、その前に彼らは試合会場に辿り着くことが出来るのか!?社会復帰を目指した彼らにとっての“絶対に負けられない戦い”がそこにはある。

ロッカールームを舞台に、実在するホームレスワールドカップ日本代表「野武士ジャパン」をモチーフに描いた過去作を、満を持してここに再演!

ホームレスワールドカップとは
2003年より毎年開催されている、ホームレス状態の人が一生に一度だけ選手として参加できる、社会復帰を目的としたストリートサッカーの世界大会。
ボールさえあればどこでもできるサッカーを通じて、貧富や年齢、人種に関係なく世界中の人々をつなぎ、貧困という世界共通の問題や、人間の可能性について考えると同時に、貧困状態にある人達が楽しみや喜び、希望を感じるきっかけになることを目指して誕生した。
新型コロナウイルス(covid-19)のパンデミックの影響で、2020年以降は開催が見送られているが、2023年大会は開催を予定している。

出典:青春事情 https://www.jijou.jp/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆★★

ウェルメイドだが扱っている内容は重い

物語はホームレスワールドカップに参加するホームレスたちの葛藤や衝突を通じて”あきらめない”姿が描かれており、パスポートが取れないとか、スポンサーがつかないとか、選手間の衝突など、色々な要素を確りとした構成で描いている

個人的には場転の際に独白や傍白で状況を説明されるのは嫌いなのだが、そこまで違和感なくストーリーを追っていくことが出来たのは、演出の巧さだろう

終盤のやり取りは特に分かっていても心動かされるものであった

ただ、演出の問題ではないのだが、大変残念だったのは、未就学児童の入場を劇団が許可しているようで、子供が終盤の”このいい場面”で騒いでいたにもかかわらず運営側が放置した点(これがなければ泣いていた、と思うほどのタイミングだった)

特に入場制限に言及がないので、こちらとしては”ただ運が悪かった”と諦めるしかないのだが、以後、ほかの作品とスケジュールが被った際に観劇候補から外す有力な要素だと再認識した

作品の内容から明らかに子供向けの要素はなく、また本作品の内容も理解もできる年齢ではないと想像されるため、同伴されていた保護者の方は関係者と思われる

一観客でしかないこちらの身勝手なお願いではあるが、諸々ご配慮いただけるのであればありがたい

俳優:☆☆☆☆★

おがわじゅんや

ギャンブル依存症で身を持ち崩してしまったが、根は優しく常に周りに気を配るムードメーカーで沖縄出身の安里を好演

こういう微妙に実存性の低いセリフ回しをする役柄をやらせると本当に良くハマる

大塚幸太

東北人(福島)らしい朴訥な語り口で姉夫妻との軋轢を話すくだりが非常に良かった

ご本人は千葉のご出身で本業はミュージカル、とプロフィールを拝見してだいぶギャップがあるのには驚かされた

伊藤圭太

所属劇団アガリスクエンターテイメントでも見せる面倒くさい屁理屈をグダグダこねる姿が笑えた

一度もサラリーマン経験はない筈だが、サラリーマンが良く似合う俳優

加賀美秀明

青春事情といえばこの人

今作でも全体のバランスを取りながら物語の要所々々でよい演技をしていた

全編メガネ外している状態なのは初めて観たかもしれない

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まとめ

とてもよくまとまっていてウェルメイドで楽しめる作品

ただし子供向けではない

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出典:青春事情 https://www.jijou.jp/

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