【演劇観てきた感想】久保磨介個人企画『はじめてのいつもの』

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出典:久保磨介 X(旧Twitter) https://twitter.com/masuke_k

おすすめ度:☆☆☆☆✬
公演期間:2024/07/16(火)~2024/07/21(日)
劇場:イズモギャラリー
脚本・演出:久保磨介
出演:杏奈、おしばい演太、川上献心、菊池泰生、沈ゆうこ、田久保柚香、日野あかり
カフェのバイト役:土橋銘菓、夏姫、ふなきみか、星秀美、どんちゃん

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あらすじ

私立舘島高校の最寄駅から反対側のカフェ『喫茶風車』を舞台にした1話完結型の連作短篇集。

ルーティーンを作って、それを守るんです。
毎日同じ花を描いて、そのひとつひとつは丹精込めた絵だったとしても、
次第にそれは花の絵ではなく「花柄」になっていきます。
そうやって、毎日、僕は僕の花柄を作っていくんです。

出典:久保磨介 X(旧Twitter) https://twitter.com/masuke_k
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

初の個人企画とのことだが、いつものように分かりやすくシンプルで納得度の高い優しくて楽しいテキストだった。基本的に”キャラ芝居”で、ちょと在り得ないような不思議なキャラクターや世界観が設定されているのだが、今作は凄く現実的というか本当に普通に存在していそうな面々によるお芝居。

ただ、逆にちょっとあまりにキャラクターと場面設定ががリアル過ぎて、逆に実存していないかのような違和感を感じてしまうというか、納得しなくても”そこにある”という新鮮さがいつもと違ってちょっと気になった。何となくあり得ないキャラクターの個性(天才性)を絶妙なセリフとストーリーで納得させれらることを期待している自分がいたのだと思う。

出てくる8人のキャラ(バイトの店員含めて)誰しもが”いい人”で、作品に微塵も悪意がなく、清々しくて心が軽くなる読後感が久保脚本を観たなと感じさせてくれる。劇場を出た時の”あの感覚”が味わいたくて、どうしても劇場に足を運びたくなる。劇的に価値観や人生観が変わるわけではないのだが、ちょとだけ景色が違って見えるような気になる”あの感覚”を今作でも味わえた。

俳優:☆☆☆☆☆

おしばい演太

本作の主人公柄本桐郎。何となくイメージよりも低い声で発声していたような気がする。落ち着いた大人な雰囲気の割には、対人関係で拗らせていて生きづらそうにしているのが良く伝わってくる演技だった。

沈ゆうこ

サブストーリーともいえる生徒側の主人公、自覚なき天才麻葉美波。こちらが本編の主人公だったら、これまでの久保作品と同様のテイストになっていたと思う。彼女を中心に据えたスピンオフというか、別作品があっても良いのではないかと思ってしまった。初登場のシーン、一発で高校生と受け止めた。10年以上前に初めて沈ゆうこを観た時も高校生役だったことを考えると、もうそれだけで凄い。ご結婚おめでとうございます。

川上献心

リアルでいい人川上献心が”いい人”菊池竹紘を演じている。と感じた。ワイルドな風貌と軽妙な雰囲気ながら、芸術家だなと分かるオーラと普通の人以上に普通な一面が混在していて、キャラの成立度合い素晴らしく際立っていた。生きづらそうにしている人の唯一の友達って、こういう人だよねっていう人”そのもの”だった。

杏奈

初見の俳優さんである。なんか色々と融通の利かない秀才タイプの1年生武田水玉なのだが、なんか物凄く好感度高かった。確りとキャラにハマった演技を観ると全然違うキャラの演技も観てみたくなる。そんな印象であった。

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まとめ

今一番次が気になる作家になりつつある久保磨介。次は、らむらどぅプロデュース『うみのかたわれ』だが、こちらもキャスティングがとんでもないので期待大。

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出典:久保磨介 X(旧Twitter) https://twitter.com/masuke_k

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