【演劇観てきた感想】劇団娯楽天国『SHOWほど素敵なショーバイはない!』

3.5
アイキャッチ画像 演劇

フライヤー画像

出典:劇団娯楽天国 公式サイト https://gorakutengoku.com/

おすすめ度:☆☆☆✬★
劇場:中野ザ・ポケット
公演期間:2022/05/18 (水) ~ 2022/05/22 (日) 
脚本・演出:小倉昌之
出演:高畑加寿子、関口英司、沢井エリカ、鷲巣知行、吉田雄亮、山王弥須彦、新木真利子、戸澤進、奥村美紀、梨本りえ、遊佐明日香、竹島一輝、小倉昌之、他

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あらすじ

「こんなんじゃ商売にならない!大赤字だ!なんとしても中止だ!!」

スーパー・ミュージカル・ビッグ・ステージの大風呂敷企画をクライアントに通した弱小イベント会社が、フタを開けると集まったのは市民劇団のド素人ばかり。あてにしていたスターやアイドルにはそっぽを向かれ、このままではチケットも売れず大失敗、会社は倒産間違いなし。なんとか企画を引っ込めたいが、クライアントは大乗り気でいまさら中止は言い出せない。しかもド素人たちの芝居へのアツい思いは急上昇!。トラブルを起こしてでも公演中止に持っていきたいダークサイドと憧れの舞台への夢を見るドリーマーたちの戦いの火ぶたは切って落とされた!

the show must go on!もう、どちらもやめるわけにはいかない!

暗い世相を舞台の力で吹っ飛ばす、スラップスティック・ショウ・コメディ。

さぁ、幕は上がった!果たしてショウは続けられるのか!?

出典:劇団娯楽天国 公式サイト https://gorakutengoku.com/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、ネタバレややありのため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆★★

多くの固定ファンがいる老舗劇団(今作は第48回本公演)だけあって、エンタメ要素を盛り込んだドタバタコメディで万人受けするウェルメイドな仕上がり(客席も老若男女が混在していて感心してしまった)大量の登場人物を上手く捌く手際の良さは流石

歌あり笑いあり客席からの拍手待ちありで、コロナ禍の間お待たせしていたファンの皆様と共に舞台を楽しむんだ、という熱量と愛情にあふれた演出であった

反面どうしても尖がったツクリにはならず、感情をガツンと揺さぶられたのは、カーテンコールでの主宰の口上(作品よりも熱かった)だった

作中の公演を妨害しようとする動き=コロナと受け取ることが出来、タイトル通り”SHOWほど素敵なショーバイはない!”という舞台芸術賛歌にあふれていて「コロナなんかに演劇は、舞台芸術は、負けないんだ」という劇団の覚悟みたいなものを確りと受け取ったような気がした

”The Show Must Go On”

俳優:☆☆☆☆★

やはり歴史のある劇団は練度が違う

奥村美紀

今作一番男前でオイシイ役柄と思われる舞監さんを好演、格好いい
劇中歌では一転して女性らしいトーンで歌われたのでビックリした

沢井エリカ

劇中着物を羽織っての動きがあるのだが捌きの所作が日舞で鍛えているのが如実に観て取れて、こういうところに”差”が出るんだよ、と実感
冒頭若干声が出ていない感じで単に役柄だった様子ではあるが、劇中とんでもない裏声や歌唱など喉を酷使しているので心配になる

梨本りえ

あれ、こんな肉感的な感じの俳優さんだったかな?というのが第一印象
役柄ごとに印象が違うのは巧いからなのだろう
水商売で愛人稼業のデフォルメが素晴らしかった

吉田雄亮

いつもはど真ん中の主演をされることが多いが今作では脇を固める役割でスタート
冒頭結構観ている方にネガティブな印象を与えてしまう”強”で”凶な”役割から一転して”弱”に
そして結局終盤にど真ん中に来るというのがファンの期待に応えている

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まとめ

老舗劇団の覚悟、舞台芸術への熱量と愛情を確り押し出しつつ、エンタメとしても十分に楽しめる、何より客席が”楽しんでいる”を感じられる作品

コメント

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