【演劇をネットで観た感想】劇団競泳水着『夜から夜まで』

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アイキャッチ画像 演劇

週末観に行く劇団競泳水着の最新作『グレーな十人の娘』を控えてネット配信で過去作『夜から夜まで』をネット観劇してみた。(現場にも参戦しているので復習の意味も込めて)

フライヤー画像

出典:劇団競泳水着 公式ページ http://k-mizugi.com/yorukarayorumade/

おすすめ度:☆☆☆☆★
劇場:観劇三昧(ネット配信)
脚本・演出:上野友之
出演:飯阪翔、以織、江益凛、太田旭紀、加茂井彩音、倉田大輔、佐藤美輝、篠原彩、古川さら、松尾太稀、谷田部美咲

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あらすじ

咲との曖昧な関係を続ける祐平。
曖昧な関係、という名のセフレ状態に悩む咲。

咲は、結婚三年目の友人・朋子から、不倫していることを打ち明けられる。
朋子の不倫相手・陸と知り合った咲は、陸に惹かれている自分に気がつくが、必死にその気持ちを抑えようとする。

やがて朋子は自らを省み、陸との不倫を終わりとする。
それを知った咲は、祐平との関係を解消し、陸と付き合うことになる。
一方、咲に去られた祐平は、元恋人や、出会い系アプリ、更にはデリヘルで出逢った女性らと関係を結ぼうとするが、空回りを繰り返していた。

ある日、祐平、咲、朋子の三人は、延期となっていた知人の結婚パーティーで顔を合わせることになるのだが……。

出典:劇団競泳水着 公式ページ http://k-mizugi.com/yorukarayorumade/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想。ネタバレありのため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

物語は、咲(江益凛)と祐平(倉田大輔)の関係を軸に、咲と朋子(以織)と陸(飯阪翔)の三角関係、祐平のだらしなく情けないちょっかい出しの様子を描きながら展開していく大人の恋愛群像劇。

あらすじ以外のサイドストーリーとして、漫画家である朋子の夫尚也(太田旭紀)が妻の不貞を知りつつも自分の消えない愛情に苛まれつつ新たな創作に挑むとか、祐平が元カノのあかり(谷田部美咲)にちょっかいを出すも全く相手にされない中で実は元カノは昔BL仲間で付き合っていた千春(加茂井彩音)が会社が倒産して引きこもってしまい…など、登場人物全員が複雑に絡み合ってくる。

注目のシーンは、中盤祐平があかりにちょっかいを出してフラれたのち、2人で引きこもってしまった千春を訪ねた際の軽妙な会話のやり取りと、ラスト前の咲と朋子の友人の結婚式場での壮絶な修羅場にちょいちょい挟まってくる二人の事情を知らない友人たちとの緩急、そしてラスト、咲と祐平のちょっと未来を予感させるやり取り。シーンごとにメリハリがあって上野友之の展開力が素晴らしい。

俳優:☆☆☆☆★

江益凛

気弱で自己肯定感が低い感じからの終盤修羅場での大爆発のギャップを良く表現している。酔っぱらっての暴言とキックが印象的。上野作品で描かれる2番目の女の悲しさと寂しさも良く出ていた。競泳水着初出演で主演に抜擢されるだけのことはある。

倉田大輔

抜群の安定感。こういう役もしっかりハマる上手さは。今作ではコミカルな役柄であったが、とにかくナチュラルそして発声が上手く聞き取りやすい。流石アマヤドリ劇団員。

谷田部美咲

長身でとても格好いいのだが、醸し出す雰囲気が極めて柔和でふんわりしている。観ているだけでなんとなく幸せな感じにしてくれる俳優。競泳水着の常連さん。今作でもガッチリとサイドストーリーを押さえて作品の厚みを構成している。熱くBLを語る様子がコミカルで良かった。

松尾太稀

今作唯一のアンサンブルなのだが、その飛び道具っぷりが素晴らしい。随所で笑いをとっていたが、ラスト電車の中で咲に話しかけて締めるとこは正にアンサンブルだった。

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まとめ

コロナ真っ最中の時期に観に行った数少ない作品をネットで再度。競泳水着らしい大人のちょっとグダっとした恋愛群像劇で楽しめる。新作『グレーな十人の娘』も期待大。

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