出典:あんよはじょうず。 公式サイト https://www.anyo-jouzu.com/
おすすめ度:☆☆☆☆★(4.5/5)
劇場:TACCS1179
公演期間:2021/12/29 (水) ~2022/01/02 (日)
作・演出:高畑亜実
出演:金子清文、久保井研、西川康太郎、亀田梨紗、千歳まち、中村ナツ子、奥泉 、高畑亜実
作品の感想
あくまでも個人の感想。ネタバレ全開のため閲覧注意
脚本・演出:☆☆☆☆★
これぞアングラ
凄まじいパワーと耽美。高畑亜実の感性の鋭さがすべて
展開が早く説明的セリフ皆無なので振り落とされないように注意
眼前にはずっと耽美な光景と胸に刺さる鋭いセリフが連発されてスジがほとんど追えない。一回観ただけでは絶対に全部は分からない。もし分かったとしたら、目の前で展開されている圧倒的シーンをスルー出来る感性が不感症のバケモノ(そんな奴はわざわざ劇場に来ない)
とにかく目の前のシーンを浴びるのが正しい楽しみ方
個人的なあらすじ
あくまでも一回観て自分なりにまとめているだけで本編と相違アリ
日本のどこか、とんでもなく辺鄙な片田舎に少年を神と崇めるカルト宗教が根ざしている施設がある。実質的には親に捨てられた望まれない男の子を施設が預かりパトロン(ショタコンのやばい奴)に嬲らせている。施設の少年たちは大人になると神ではなくなる(価値がなくなり殺される)
キヨフミ、コータロー、ケンイチは、同じ班の神様。最近コータローの身長が伸びてきて、神様ではなくなってしまうかもしれない。と薄っすら感じている。この3人の中にユキノという新たな神様が参加してきて班長ケンイチの立場を危うくする。そんななかコータローがパトロンを殺してしまう。ユキノはキヨフミを誘ってコータローを救うべく施設に火を放って逃亡を試みるが、、、
数十年後、打ち捨てられた施設の中から身元不明の少年の白骨死体が1体発見される。発見されたのは誰なのか?キヨフミがケンイチを探し当て追跡する中でコータローとも邂逅し物語は一気に佳境へ
と、サスペンス調になってしまったが、書いていてこれで正しいか全然自信なし。実際の舞台上では現在(大人)と過去(少年)がテレコでまるで並行世界のように描かれているし、ラストの衝撃のオチで頭の中ぐちゃぐちゃになったので、どっかで変な変換かかっているかも
(公演中なのでラストの衝撃のオチについては後日更新追加する可能性アリ)
俳優:☆☆☆☆☆
金子清文
かっこいい。大人の色気が凄い。エロい。アングラの人。よくこの作品のオファー受けたな。というのが率直な感想
亀田梨紗
金子清文の少年時代という難役中の難役だがイメージピッタリでこれまたエロい。少年の声と笑顔、女性の声(地声)とあまい表情を交錯させての艶が凄い
久保井研
この人もよくオファー受けたな。唐組の代表的俳優でやっぱりアングラの人。今作では可愛い感じのエロさ担当
中村ナツ子
久保井研の少年時代というこれまたどうすればいいんだという難役。甘さ、可愛さは久保井研の方が寄せたのか?と感じさせる
西川康太郎
名だたるアングラの雄お二人に勝るとも劣らない色気が凄い。演出の意図を100%汲んで表現しているような上手さがある
千歳まち
素材が美人。西川康太郎の少年時代という設定にギャップがない。背格好とか髪型も近くて、こんなきれいな顔に火傷が…と、すんなり受け入れた
奥泉
序盤のハイテンション早台詞がお見事。唯一少年時代がないキャラクターで難しさがあるはずだが難なくこなしていた
高畑亜実
作品同様に役者としても妖しい雰囲気まとっている。一番の謎キャラクターであるユキノ。実存なのか非実存なのか最後まで分からず
まとめ
これぞアングラな作品。凄まじい疾走感。そして耽美。演出家の性癖大爆発。これだけのキャスティングを実現してしまう高畑亜実のプロデューサーとしての力量も凄い
但し、ウェルメイドな作品を演劇に求めている人は観ない方がいいかも。いや、人生が変わるので観た方が良いか。価値観激変(人生疾走)の可能性がここにある
年明け家でダラダラしているぐらいなら下落合に行って人生変えてみれば良い
出典:あんよはじょうず。 公式サイト https://www.anyo-jouzu.com/
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