【演劇観てきた感想】あやめ十八番『六英花朽葉』

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出典:あやめ十八番 http://ayame-no18.com/

おすすめ度:☆☆☆☆✬
期間:2023/08/05(土)~2023/08/09(水)
劇場:座・高円寺1
脚本・演出:堀越涼
出演:【大正ロマン】金子侑加、藤原祐規、秋葉陽司、蓮見のりこ、谷戸亮太、内田靖子、池田海人、鈴木真之介、武市佳久、溝畑藍、鈴木彩愛【昭和モダン】金子侑加、吉川純広、北沢洋、堀越涼、島田大翼、齋藤陽、ムトコウヨウ、田久保柚香、中野亜美、庄司ゆらの【楽隊】吉田能、吉田悠、中條日菜子、島田大翼、池田海人

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あらすじ

『明治の中葉 わが国に初めて映画が渡来するや これを説明する弁士誕生
 幾多の名人天才相次いで現れ その人気は映画スターを凌ぎ 
 わが国文化の発展に光彩を添えたが 昭和初頭トーキー出現のため姿を消すに至った
 茲に往年の名弁士の名を連ね これを記念する』浅草寺境内・弁士塚より

根岸よう子、芸名を郡司葉子と名乗った一人の女優の、九十九年の生涯に今、幕が下りようとしている。女優として数々の栄誉を手にしてきた彼女が死に瀕して思い出すのは、何者でもなかった頃の自分。“芸”に魅せられ、“芸”を追い求めるだけで生きていられた、あの時代。

大正末期から昭和初頭、葉子は活動写真弁士であった。自らを荒川朽葉と名乗り、実兄・荒川木蘭と共に弁士の黄金時代を駆け抜けた。そうして、他の弁士と同じように、トーキーに追い立てられ、磨き続けてきた“芸”を手放した。

あの頃の自分を一つ一つ整理するように、葉子は自らの音無き走馬灯に声をあて、九十九年の生涯を、今、説明せん、と挑む。

出典:あやめ十八番 http://ayame-no18.com/
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作品の感想

注意

あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意

演出・脚本:☆☆☆☆★

兎に角芸達者。古典に対する造詣の深さと事前に相当な取材をされていると分かる細部にわたるリアルさ。流石の堀越涼といった感あり。セリフ回しから所作に至るまで大正から昭和初期を思わせる”匂い”がする。楽隊を上手くストーリーに組み込んでいて、横長で特徴的な座・高円寺の舞台もそれに合わせて、左右の使いづらいところに楽隊や映画館さながらの位置に弁士台を配する巧妙さ。

物語の起伏や活動写真の特性を踏まえたストーリー構成も非常によくて、サブストーリとしての苗の物語が無茶苦茶良かった。そして、あまりにも良かったが故にダブルキャストが無茶苦茶ツラい。予定と予算の関係から大正ロマンの方を観たのだが、観た直後から昭和モダンが観れなかったことの口惜しさが尋常ではない。☆一つ減らすほどにツラい。(配信や円盤では埋められないことは演劇を観る人なら分かるはず)

俳優:☆☆☆☆☆

藤原祐規

格好良い荒川木蘭を好演。登場シーンの呼び込みのところから良かった。ラストも見せ場たっぷりで看板俳弁士っぷりが素晴らしかった。

谷戸亮太

活動写真からトーキーへの移行していく時代の映画監督である灰汁惣一郎を好演。軽薄な優男でありつつも、リアリストで酷薄な一面も併せ持つ難役だったと思う。非常に良かった。良かったが故に堀越涼バージョンが観たくなる。

中野亜美

大正ロマンではアンサンブルとして、実の少年時代や銘酒屋の酌婦などを演じていたが、存在感が素晴らしかった。で、終演後に当パンで配役表見て愕然。堀越涼の灰汁と中野亜美の苗が観れない…観たかった。

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まとめ

こうなるからダブルキャストが嫌いなんだ。あれだけの客席のある劇場で動員のため、という部分もあるだろうし、制作上どうしてもっていうのは分かるんだけど…ほんとツラい。
そして、次のあやめ十八番の公演でDVDに手を出しそうで怖い。(今日までの配信は一旦耐える)

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