出典:Mrs.fictions http://www.mrsfictions.com/
おすすめ度:☆☆☆☆★
公演期間:2023/02/22(水)~2023/02/26(日)
劇場:本多劇場
出演団体:演劇集団キャラメルボックス、ブリーズアーツ、オイスターズ、ロロ、ZURULABO、Mrs.fictions
あらすじ&作品の感想
あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意
ロロ『西瓜橋商店街綱引大会』
頭を空っぽにしたいときは、ひたすらYouTubeにあがってる毛抜き動画をみることにしてます。ピンセットで一本一本丁寧に引き抜かれる毛たちをぼんやりと眺めてると、毛羽だった心の草むしりをしている気分になります。だから、引っこ抜く話を書こうとおもいました。そういえば、小さい頃、「おおきなかぶ」の絵本を繰り返し読んでたし。
人気のない寂れた商店街の端から端までを使って行う綱引き大会。うん、そうしよう。
出典:『15 Minutes Made in本多劇場』当日パンフレット
脚本・演出:三浦直之
出演:亀島一徳、望月綾乃
ロロは、最近の『ロマンティックコメディ』と10年ほど前の『父母姉僕弟君』、『ミーツ』ぐらいしか観ていないので、こんなコメディ短篇が待っているとは思わなかった。出オチのインパクトが物凄いのと終わり方が印象的。
演劇集団キャラメルボックス『魔術』
芥川龍之介が今から98年前の、大正9年に発表した短編小説『魔術』を舞台化します。原作をそのままテキストにして、3人役者が物語る、というスタイルの演劇です。新進気鋭の小説家・芥山は、ある夜、インド人の友人マティラム・ミスラの家に行く。ミスラはまだ年は若いが、婆羅門の秘法を学んだ魔術の大家だった。ミスラが次々と繰り出す魔術に魅せられた芥山は、自分も魔術を習いたいと言い出すが…。
出典:『15 Minutes Made in本多劇場』当日パンフレット
原作:芥川龍之介
脚色・演出:成井豊
出演:畑中智行、山本沙羅、三浦剛
流石の熟れた演出で安定感抜群。歌っていないのにミュージカルのような軽やかさがあって、スッと入っていけた。6年前の『15 Minutes Made Anniversary』でもキャラメルボックスが15MMに?と思ってたが、今回も出場されてることを知った際は本当に驚いた。
ZURULABO『ワルツ』
「31で始めたピアノ」「もつれる指」
出典:『15 Minutes Made in本多劇場』当日パンフレット
「たった1分の悲しいワルツ」「もつれて3分」
男 はピアノを聴きたい
女 はピアノを弾きたい
声 は努力をしたかった
脚本・演出:小野寺ずる
出演:植田崇幸、木原美優、宮本沙羅
小野寺ずるらしい個性的な作品だった。原則当パンは読まずに作品を観るタイプなので、本人が出演されるとばかり思っており、ちょっと観れなくて残念だったのだが、まさか、数日後に大河ドラマでその演技を観ることになるとは思わなかった。
ブリーズアーツ『真夜中の屋上で』
テツヤたちが卒業した高校には、奇妙な噂があった。
出典:『15 Minutes Made in本多劇場』当日パンフレット
真夜中に屋上へ行けば、もう会えない人と話ができ一番聞きたかったことが聞けるという噂話。
ただし、チャンスは一度だけ、必ず一人で行くこと。
その噂を知ったサトシは真夜中の屋上に向かおうとする。
脚本は真柴あずき書き下ろし、演出を緒方恵美、演奏を目木とーる、ブリーズアーツの若手役者たちが「声」で物語をお届けします。
脚本:真柴あずき
演出:緒方恵美
出演:中村悠人、関根翔太、奈良原大泰、伊藤梨花子、島倉凱隼、儀武ゆう子、須藤叶希、緒方恵美
演奏:目木とーる
声優事務所さんということで、全員台本を持っての朗読劇スタイル。マイク不要の発声とこのセリフ量なら入るでしょ、と観ていて思ってしまう観劇の人なのだが、それは声優としての矜持なのかもしれない。皆さん流石に声がいい。
オイスターズ『またコント』
お笑い芸人が大好きな僕は、せめて裏方になりたいと思ったけど、なぜだか劇作家になっていて喜劇ばかり書いています。今回初めてお笑い芸人の話を書きました。でも僕の書く人物はいつもどこかダメな感じで全く上手く行きそうになくてどん底を生きてますので、売れるとか売れないとかそういうレベルではない人達の話です。そんな劇に、本物のお笑い芸人の安田さんを迎え、オイスターズ常連の佐治くんと菅沼くんに出てもらいます。オイスターズの人は一人も出ませんがよろしくお願いします。
脚本・演出:平塚直隆
出典:『15 Minutes Made in本多劇場』当日パンフレット
出演:安田遥香、菅沼翔也、佐治なげる
どの団体よりも一番本多劇場を狭く使っていた。特に舞台の奥行きを全く使っていなくて、これが逆に笑える。観劇後当パンを見て安田さんが本物のお笑い芸人さんと知って驚きとともに非常に納得をした。あまり舞台俳優に居ないタイプの舞台捌きをするので、いい意味での違和感が印象に残っている。ショーケース公演ならではの感想として、8月スケジュールが合えばスズナリを観てみたいと思わされた。
Mrs.fictions『上手も下手もないけれど』
どこかの国のどこかの街のどこかの劇場、楽屋の鏡前に座り化粧をする二人の男女。子役上がりの男優と初舞台を控えた新人女優に訪れる開幕と閉幕を描いた、Mrs.fictions最初で最後の楽屋もの二人芝居。
出典:『15 Minutes Made in本多劇場』当日パンフレット
作・演出:中島康太
原案:岡野康弘
出演:岡野康弘、豊田可奈子
本編とは関係ないが、全体の最初、今村圭佑の挨拶で胸が熱くなる。演目が『上手も下手もないけれど』なのは、Twitterで知っていて彼が出ないことを知っていたので。
そして本編。幸運にも『15 Minutes Made Volume15』と『再生ミセスフィクションズ2』でも観ていて三度目の『上手も下手もないけれど』。初演時の驚きが蘇ってきて、毎回感動させられる。事情があって『再生ミセスフィクションズ2』のDVDを失ってしまっているので脳内に焼き付けてきた。
本当にこのお二方のコンビの破壊力は凄いの一言である。
まとめ
いろいろあったがMrs.fictionsの「人と人とは出会わなければならない」の理念が本多劇場にまで届いたことに素直に感動
出典:Mrs.fictions http://www.mrsfictions.com/
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