出典:calmoプロデュース https://www.calmoproduce.com/
おすすめ度:☆☆☆✬★
公演期間:2022/10/05(水)~2022/10/10(月)
劇場:テアトルBONBON
脚本:笹峯 愛
演出:小池唯一
出演:増澤ノゾム、江益凛、高木珠里、村上航、斉藤マッチュ、渡辺梓
あらすじ
2021 年コロナ禍、オリンピック直前の頃
“流されるまま過ごしてきた僕らは、いよいよその姿を見つめ直さなければならない”
田畑稔は旅行代理店に勤める真面目なサラリーマン。コロナの影響を受け、仕事は行き詰まっている。更に、2 年前にやっとできた子供は早産でそのまま亡くなってしまい妻の菜種とは、そこからうまくコミュニケーションが取れていない。そんな稔にとってデリヘル嬢の〝姫〟は、心の拠り所となっていく。姫もまた、コロナ禍で会えないまま亡くなった母への想いを抱いていた。二人は急速に惹かれ合うのだが…
向き合うことを避けてきた人々が、新たな潮目で、ぶつかって露わになる想い。それぞれが抱える”ちゃんと”という形を、理解しようとすることで見える、これからの景色。
“リップカレント”海岸に打ち寄せられた波が沖に戻ろうとする時にできる強い流れのこと。
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作品の感想
あくまでも個人の感想、若干ネタバレを含むため閲覧注意
演出・脚本:☆☆☆★★
良くまとまっているテキストで人物相関も練りこんであって出てくる人が全員関係者という”ツクリ”
リップカレントとは、所謂”離岸流”の一種
気づいたらもう岸に戻ることもできず一気に沖合に流されて自分がどこを向いているのかすら分からなくなる様を作品では、コロナに翻弄された登場人物たちに投影し、見失ってしまったそれぞれの”幸せ”を見つめなおして新たに旅立っていくまでを描く構成になっている
良く出来てはいるのだが、かなり技巧に寄っている感があり、良く出来たテレビドラマを観ている感じになってしまっている。劇空間に浸って感情を揺さぶられたり価値観変わっちゃうような刺激を求めて劇場に足を運んでいるのだが、セリフががっつり刺さってこなくて残念ながらちょっと好みに合わない
因みに個人的に好みに合わないだけで作品としては良作だと思う
俳優:☆☆☆☆★
村上航
スイッチ総研か浮世企画以来5,6年ぶりに拝見したが独特な雰囲気に味がある名バイプレーヤーぶりは健在
江益凛
こちらの勝手なイメージとしての江益凛と役柄の”姫”とが若干ミスマッチな感を覚えたが、ラスト大絶叫で大暴れするシーンで納得、あぁ”これ”のためのキャスティングなんだなと『夜から夜まで』のぶち切れシーンを思い出した
なんだかんだと観に行ってしまう魅力のある俳優
斉藤マッチュ
こちらも久々に拝見、20歳の国かアナログスイッチぐらいなので5年ぶり
最近は映像作品(入江組)でお見掛けすることが多かったが、聞きやすい発声と器用に色々な役柄をこなす巧さが流石
まとめ
テレビドラマが主戦場の脚本・演出なので、構成が確りしていて、よくまとまっている
俳優陣も全員が間違いのない技術がありクオリティの高い作品
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